3月18日に全海外渡航禁止令を発令、
3月22日にNon-essntial Serviceの営業停止措置でしたので、
オーストラリアでロックダウンが始まってから6週間目になります。
えー、結果から言うとですね、オーストラリアの底力を舐めてました。もの凄い大成功です。完全にロックダウンの理想形。ロックダウン決定後に感染者拡大のピークが訪れ、そこから2週間でピークを脱し沈静化、その後も感染拡大ペースは下がり続け、ここ最近では1日の新感染者数が20人に満たない日が続いてます。その限られた感染者のほとんどが、ヨーロッパを始めとする海外から救助便で帰ってきた帰国者であり、ホテルや孤島での軟禁中での陽性反応です。
正直最初は疑心暗鬼だったんですよ。あのやんちゃなオージーがね、家にいろと言われて家にいられるのかって。そりゃね、分かってる連中は従いますけどね、バカはどこまでもバカだろうと。こっちの高校を出てる身として、奴らの精神年齢が男子高校生で止まってるの知ってるからこそ、思ってたんですよ。
実際ロックダウンが始まって1週間くらいはビーチに人が溢れてたりパーティー開催してたりで散々問題行動はニュースになってましたけど、あれですね、やはり執行力って大事だったのかもしれないですね。バカでも「警察に捕まってその場で罰金5000豪ドル(34万円)」をやられたらね、黙るんです。
あとはまぁ、フェアだからですか。この国の国民性って「愉快で適当でバカ」だと思ってるんですけど、同時にフェアな部分も国民性だと思うんですよ。世界的なスポーツの大会観ててもオーストラリア代表って汚い事やらないのよね。そんな感じ。みんながフェアに給付金貰って、みんなフェアに家で煮詰まっていることに文句が出なかった。出る杭は打たれるからとかじゃなくて、ここはチームプレイなんだ、って気合が国全体に出てるように感じます。アメリカ国民のロックダウン反対デモとか見てると特にそう感じる。あれはまぁ教育の問題かもしれんが…。
で。
来週からロックダウンの規制が試験的に緩和されるんです。Non-essential serviceの営業は再開されるし、生活圏から50km以内への移動、国立公園の入園許可、キャンプやレジャーの規制解除などなど。ロックダウンに大成功しているニュージーランドとの鎖国解除も検討しているらしい。
あくまで試験的なもので、もしも感染者数がまた増える傾向にあると判断されたら再度ロックダウンされるらしいですけどね。それでいい。
それに伴い、オーストラリア政府は新たなシステムを数日前に発表したのでご紹介。
COVIDSafeというスマホ用アプリです。
- このアプリを各自の携帯にダウンロードすると、その携帯所有者の電話番号と暗号化されたアプリのIDがリンクされます。そしてこの情報が保険医療当局へと送られます。
- アプリは常時、Bluetoothを使って周囲の携帯にインストールされている同じアプリを探します。もしもこの携帯同士が1.5m圏内に15分以上近づいていた場合、アプリ内に暗号化された相手のアプリ情報(あくまでもアプリの情報であって携帯所有者の個人情報ではない)が登録され、21日間保管されます。21日後にその情報は自動的に消去処分されます。
- 陽性が出てしまった人がもしもこのアプリを携帯にインストールしていた場合、任意で「情報を地区保健医療当局に送信する」ことを選択できます。送信される内容は暗号化された蓄積アプリ情報、つまり21日間の間にこの陽性者の携帯に15分以上1.5m近づいた人のアプリが持つID情報です。
- 保険医療当局は送られてきた暗号化ID情報を元にこのIDのアプリ保有者(つまり濃厚接触者)へと警告メッセージを送ることが可能というシステムです。警告を貰った場合はコロナ検査が推奨されます。
解りにくいのでいらすとやにすると…
まずアプリインストール時に、連絡用電話番号と氏名(わざわざ仮名で良い、とまで書いてあります)、年齢層(16~29、30~45等)、住んでる地域番号を訊かれます。これを答えることで、そのアプリ所有者の大まかな年齢、生活地域、そして連絡先が保険医療当局に登録されます。
そのアプリの入った携帯を持ったまま普通に生活します。Bluetoothによって常に同じアプリを持つ携帯を感知するシステムで、1.5m以内に15分以上存在した場合に限り互いの携帯アプリ内に互いのID情報が渡ります。暗号化されており個人情報は含まれません。
このID情報は21日間、アプリ内に保管されたあとで消去されます。
どこかのタイミングでコロナの検査を受け、陽性反応が出た場合、感染者の持つアプリ内に蓄積された濃厚接触者のID情報を保険医療当局に送ることが可能。ここで情報を発信するかすら、本人の任意となってます(まぁ断る理由はないでしょうが)。
すると、保険医療当局は登録されているID情報を元に連絡先へと警告を発信。この際、実際に誰が感染したか等の個人情報は一切含まれず、「貴方が21日以内に濃厚接触した誰かから陽性反応が出ましたよ。コロナの検査を受けてくれると嬉しいな」と送られてくる。
こんな感じ。いらすとやさんはほのぼのするなぁ。
とにかくプライバシーに極限まで配慮したであろうシステムです。
GPSによるトラッキングのほうがはるかに簡単でより多くの有益な情報を得られるにも関わらず、あえてのBluetoothにしている点。プライバシーを尊重して個々の追跡を極端に減らす配慮です。
また、暗号化された情報は送信されるまでは個々の携帯にしか蓄積されないシステムなので、常に情報を第三者に抜かれるわけではない点。その個々に蓄積されている情報も電話番号や氏名ではなく、あくまで暗号、つまり文字数時の羅列だけなので個人には何の意味もなさない。
何より全てが任意。このアプリをインストールすることも任意だし、もし陽性反応が出たとして、アプリ内の情報を当局に送る部分まで任意。アプリをいつ消去しようと全くお咎めなし。
データにアクセスできるのは保健医療当局だけで、極端な話をするとアプリを持ったまま誰から犯罪を起こしても警察は情報開示ができません。
よって結構好意に受け入れられてる模様。
当初オーストラリア政府はアプリのリリースから5日間で100万人の登録者を目標に掲げていましたが、リリースから12時間で113万人が登録した模様。24時間で200万人を突破。国民の関心が伺えます。
このアプリ、ぶっちゃけインストールした当本人にはほとんどメリットも無く、ただただ「本当に個人情報守られてんのか」という疑念と、常時動きっぱなしのBluetoothによる携帯電池の消耗しかありません。一応、誰か知らない濃厚接触者が感染していたら通告を貰えるというメリットはあるんだけどね、知ったところで自分の命が助かる代物ではないのよ。
それでもこのアプリを入れるのは「医療関係者を助けたい」「一丸となって戦いたい」という意志だと捉えてます。見直したぞオーストラリアよ…。
果たしてこのアプリが大きく機能するレベルまでインストール数が増えるのか。
そしてロックダウンの規制が緩和されてから感染者数はどう動くのか。
今後の経済難をどう乗り越えるのか。
課題は山積みだけど、現状のオーストラリアは良い展開だと思います。