とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

星に溺れて(2024年キャンプ4日目)

孤独で深い夜を、

南十字星は静かに照らす。

f:id:happyguppyaki:20240422205911j:image

 

4日目朝は午前6:30分の車中からスタート。田舎の朝は早く駐車場の隣で仕事を開始したトラクターの音で起床。どうしてもシートは硬いので寝心地は良いとは言えないが足と腰を伸ばして寝ていたため快眠であった。

f:id:happyguppyaki:20240422205321j:image

 

トイレで歯を磨き、朝食の代わりに残っていたお菓子を食べる。天気はすこぶる良さそうである。もう雨には苦労しなくてすみそうだ。遠くの電線でホオアオサメクサインコが歌う中、車のシートを元に戻して出発である。

f:id:happyguppyaki:20240422205519j:image

 

午前7時より西に向けて行動開始。Romaの町を出てすぐ、上空を4羽のオカメインコが飛んでいく姿を車中から確認。だいぶ内陸地点に入ってきていることを実感する。

f:id:happyguppyaki:20240422205738j:image

 

道中で第一エミュー達も発見。

f:id:happyguppyaki:20240422205820j:image

 

2時間ほど走ったところで一時休憩。地図上で気づいたTregole National Parkなる場所に寄り道。

f:id:happyguppyaki:20240423061129j:image

 

オーストラリアには至るところに国立公園が存在するが、およそ2種類に分けられると思っている。1つはその雄大な自然環境を活かして客を呼び込みお金を落とさせてしっかり管理維持しているタイプ、そしてもう一つが「なんか特殊環境だから開発防止で国有化だけしておこう」ってノリで国立公園の名前もらいつつも放置されているタイプ。

f:id:happyguppyaki:20240423061436j:image

 

ここはまぁ安定の後者ですね。荒れたりはしていないけど特に何をするでもなく放置されている静かな場所。人なんて誰も来ない。あと動物もあまりいない。

f:id:happyguppyaki:20240423062027j:image

 

休憩終了。さらに走ります。とはいってもまだ午前中。昨日距離を稼いでいたので今日の日程はとても緩く400km程度の道のりしかない。

f:id:happyguppyaki:20240423062253j:image

 

12時、Charlevilleの町に到着。本日の宿泊地を選定します。良い感じの場所が1時間ほどの場所にあることが判明したのでそこを目指してみることに決定。アドリブの旅です。

f:id:happyguppyaki:20240423062453j:image

 

有志たちの情報を頼りにちょっとしたオフロードを進んで本日の野営地点に到着。午後2時。ここをキャンプ地とする。

f:id:happyguppyaki:20240423062623j:image

 

まだまだ日差しが元気過ぎて何もやる気が起きないので、河辺の日陰に椅子を展開してひたすらのんびり。川を通って吹いてくる風が心地良い。だが動物はいない。

f:id:happyguppyaki:20240423062759j:image

 

午後6時、陽が落ちたところで設営&焚火の設置。今日は火が起こせると分かっていたのでCharlevilleで購入してきた鶏肉を炭火焼きにしていきます。

f:id:happyguppyaki:20240423062943j:image

 

カリカリの鶏を火から取り上げて口を半分火傷しながら食べる。人生が豊かになる瞬間だ。

f:id:happyguppyaki:20240423063055j:image

 

ふと空を見上げてみれば満天の星空に大きな月。後2日で満月という夜。ひたすらに明るい。

f:id:happyguppyaki:20240423063207j:image

 

夜に自分の影が見える。それが月光によるものだと確定的に分かる環境。周りには人も明かりも人工物も何もない。南十字星の左下にある石炭袋の暗さすらも際立つ、空に溺れそうな綺麗な夜であった。

f:id:happyguppyaki:20240423063453j:image