とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

蚊が舞う野営地で名言に学ぶ【内陸キャンプ旅6日目】

戦慄の旋律に怯える夜は続く。

 

 

 

朝の6時頃に起床。昨晩日暮れと共にその真価を発揮してきたバカデカ蚊たちは、一部のしんがり部隊がテントのシュラフの裏側に伏兵の形で潜んでいたが、太陽光の熱にその機動力を奪われ大した戦闘にはならなかった。だが、かわりに視界良好となったハエたちが制空権を確保しており、我々陸戦隊の野営班はまだまだ厳しい状況に置かれていた。

快晴の空に蚊とハエが舞う


早朝の探鳥は野営地点周辺のブッシュを藪をこいで行き当たりばったりコース。事前情報ではこの辺りにもアキクサインコの出現記録があるためT君は粘りに粘って探したが、結果は空振り。クルマサカオウムも出現せずボウズを喰らうこととなった。

テントを干し、とりあえず町へと向かおう

どうせ日中は暑くて鳥も出ない。この場に留まっていてもただただ不快指数だけが上がるので、テントを干して畳んで、一度Bourkeの町へと戻ることに。戻る道中で道を横切る爬虫類。この旅では何故かここまで一度も出ていなかったアオジタトカゲさんである。身体が暖まっていたようでめちゃくちゃ素早く逃げられた。

アオジタトカゲ。野生個体はみんな眼光が鋭い

まずは飯でも食うかということになり、Bourkeの町の公園のベンチで湯を沸かしつつ昼飯の用意。ここは蚊もハエもいなく風通しの良い涼しい環境。快適である。

飯を食いながら今後の動向についての作戦会議。今朝の探鳥が想像以上に空振りであったことから、この日は同じ場所に連泊して翌日朝に探鳥再チャレンジをするという方針に決定した。日程に縛られない自由な旅である、連泊したっていいじゃないか。

町の公園で調理器具を展開できるのが野営勢の強み

公衆トイレの水道で洗髪したり、近くの探鳥ポイントをうろついてみたりしながらジワジワと日中の時間を潰す。T君は薬局に立ち寄りBushmanを購入。虫除けの代表格であるDEETです。日本だと近年までは12%、今でも30%以上の濃度は禁止されているコイツですが、オーストラリアだと何食わぬ顔で80%濃度のやつとか売ってる。プラスチックにこぼしてしまうとプラスチックが溶けます。

プラスチックをも溶かす威力のDEET80%なんぞ売っている

夕方になった頃、またしても前日にステルスキャンプを決め込んだ地点へと再出発。周り中にエミューが大量にいてもはやここはエミュー牧場なのではないかと錯覚すらおこすが、なんてことはないただの野鳥共である。

そこら中にエミューはいる

そしてアゴヒゲトカゲ達も道の真ん中にいっぱい転がっている。何度も轢きそうになりつつ写真を撮りながら進む。

アゴヒゲ達もそこら中の道端に転がっている

「なんかアイツ動かねぇな」

「ちょっと俺どけてくるわ」

「よろしく」

「ほらあっち行きなさ…いやそっちじゃない!」

「いや車のほうに来るんかい!どこ行った?」

「えーっと…あっ!」

タイヤの隙間に潜り込んでしまったアホの子

「ちょっと来て!大変だぁ!」

「どうした…うへぇ面倒なことになったなぁオイ!」

「こっちから追い立てるから掴んで」

「おけーい…おk、掴んだ!」

無事に確保してブッシュに逃がしました

アゴヒゲインシデントに見舞われつつも昨晩の野営地点に舞い戻り、今朝畳んだテントを再度展開し、日が暮れる前に飯。我々は日が暮れればヤツらの猛攻が始まることを既に学んでいる。急いで米を炊き、急いでサイコロを振り、急いで牛丼を掻きこんだ。

この日のサイコロ飯は1-3を重ねていた念願の牛丼

「足…こいつらズボンの上から足刺して来るなぁ…」

既に蚊の威力偵察部隊と交戦状態に入ったBushman装備のT君が唸る。

「腕が駄目なら…」

「……足をかじればいいじゃない?」

「出た、マリー蚊ントワネットの名言」

「言ってねぇから」

「あと俺あの名言も好きだなぁ、蚊ヶ智光秀の名言」

「なんだっけ」

「敵はホント足にあり」

「言ってねぇから!」

「あと俺あれも好きだな…蚊蚊ーリンの…」

「なんだっけ」

「血は赤かった」

「言ってねぇ…ってかもうそれ蚊ぁ関係無ぇから」

 

バカ話もほどほどに、日没とともに本格的な増援部隊の到着を察した我々はこの日も早々にテントという名の防空壕に身を潜め、闇夜の制空権を完全に確保した蚊たちが織り成す、体当たり攻撃でシェラフをコツコツと叩くリズム隊と、その独特不快な羽音で不協和音を奏でる弦楽器隊の旋律に戦慄を覚えつつ、震えながら目を瞑った。

 

 

youtu.be

 

2024年を振り返る

お久しぶりです、いつぞやのワタシデス。

こうやって駄文だけをただ思い浮かぶがままにキーボードに叩き込むのはいつ以来なのであろうか。

2024年12月31日でございます。年の瀬というやつです。いやはや、あっという間の1年だったなというベタな感想しかございません。しかして2024年も中々に濃い一年となりました。内容が濃いことは良い事ですな、それだけ充実していたということですからな。

持論なんですがただの一般人のブログの、それも雑記みたいな駄文って需要ないんですよ。じゃあ意味もなくこの文章を書き始めたのかというとそうでもなくて、こういう駄文って後々で自分で読み返してフヒヒヒwってするために存在すると思うんですよね。なので主に自分用に、10年後にでもフヒヒヒwって出来たらいいなと考えつつ2024年の総括でもしておきます。

 

月毎に振り返る

1月

時事ネタでいうと新年早々から日本では能登半島周辺で震度7の大地震、さらには日空機と海保機が羽田で衝突炎上するという事件からスタートした今年。煙の立ちこめるJAL機内で、それでも完璧な避難誘導を行う2年目CAさん達と、こちらもまた押さない駆けない喋らないで冷静に避難誘導に従う日本人乗客たちの姿を動画で観た際に「これぞ日本人、これぞDNAに刻まれた避難訓練の力」と感心しておりました。日本人はまだまだ捨てたもんじゃねぇぞ、特にその底力は有事の際にいかんなく発揮されますね。

 

で、私事で言いますと1月は引っ越し真っ只中の月でした。昨年の12月終わりにユニット1部屋の購入が完了して、新年早々から新生活のスタートを切ったのがまだ今年ですわ。にわかに信じられんですけどIKEAから次々と届く家具類を組み立て、冷蔵庫を搬入して生活基盤を作っていたのが1月です。

冷蔵庫を購入。

引っ越し荷物の一時的な避難先として職場や友人宅を広く活用させてもらいました。いやー助かりました。蛇さん達なんて3ヶ月くらいは職場のガレージでヒッソリと暮らして貰ってたからな(院長には事後承諾しかとっていない)

 

引っ越し前後にしか撮れない空間の多い我が家

本格的な荷物の運び入れではハイエースをレンタルして自力で何往復かする形で引っ越し作業をしたのだけれど、これはもうやらない。人生で最後の自力引っ越しですわ…新居に引っ越したことで大きな家具が一気に増えたから物理的に自力での引っ越しが今後困難になることもそうなんだけど、それ以上に体力的にもうやりたくない。今後の人生ではお金払ってプロに任せる作業ですわ。まぁ人生最後の経験、って決めたことをやりきった達成感はあるよね。

 

レンタルしたハイエース。運転は楽しかった。

 

 

1月の後半はウォンバット研究のKotaro君夫婦と一緒に軽くフィールド出てますね。Morton National Park辺りをうろついていたと思います。ウォンバット疥癬にやられておらず野性味が溢れていて良きであった。あとツチボタルが綺麗でした。

 

 

 

2月

時事ネタとまでは言えないのだろうけど、イーロンマスクによるTwitterの改変がこの辺から加速してきた筈で、2月時点の有力な避難先としてBlueskyが話題になっていた月ですね。てりやき垢も一応始めたものの、何故かそっちでは飯画像ばかり貼られる誰得アカウントになってしまった。そして結局ツイッタ民がBlueskyに移住することはなかった。2chニコニコ動画の廃れを見てきた年代として一つ言えることは、面白い集まりってのはその場にしがみ付いて耐え忍ぶか、自然消失するかの2択しか無いってことよ。丸っと別のプラットフォームに移住できた歴史はネット上に無いと思う。

 

私事。てりやき、日本に一時帰国&JCVIMに突撃の月。なんとなくチケットが安かった時期に飛行機を取ったところ、なんともタイミングよくJCVIM開催の日程とピッタリ合っており、しかも会場が自分の本拠地から2駅の場所であったので参加することに。参加費や当日の飲食費は「出張」扱いで税金対策になりますからね。

 

 

色々と会いたい人もいたけどJCVIMの会場で多数をクリアすることに成功。何しろ大量に人に出会うであろうことを考慮してピンバッジを「てりやき遭遇の証」などと謳いながら粗品土産として配ることにしたら、30個以上はあった筈のピンバッジが途中で品切れになり、「てりやきの証を付けている参加者=てりやきの可能性」が完全に消える謎の事態になった。ワロタ。

 

3月

時事ネタでは野球界でオータニサーンの通訳として働いていた水原一平ニキが違法賭博に着服した大量の金を溶かしていたことが表面化してボッコボコにされた月。ドラゴンボール作者の鳥山明が死去し世界中のOtakuが悲しみに包まれた。

 

私事では日本満喫の旅が3月中旬まで続いてます。今回は4泊ほど北海道に遊びに行き、比喩でもなんでもなく毎日3食、海鮮丼や寿司を食いつくしていた。いやー美味しかったなああああああ。

北海道では朝から毎日こういうの掻きこんでた

 

4月

時事ネタでは台湾でマグニチュード7.2の地震シドニーBondi Junctionショッピングモールで無差別刺殺事件が発生して豪州全土に緊張が走る。この事件以来ショッピングモール内のセキュリティーたちの装備が目に見えて充実していて、少なくとも常に防塵ベストは付けるようになった。

 

私事。何があったのか、キャベツがめちゃくちゃ高騰。この高騰の波は何故なのかこのあと日本にも上陸した。豪州日本人獣医師クラスタによる集まりはお好み焼きではなくたこ焼きパーティーに変更になりました。

キャベツ高ぇ、ってなってた。白菜で生きてた。

4月後半は日本の都会と豪遊にアテられた反動で「荒野に行きたい…」とうわ言のように口走るようになってしまったので1週間強の休みを確保して陸路の一人旅に出発。4000kmくらいの旅に出た。伝説の土地Eromangaに到達し、野生のアキクサインコと戯れる良き旅であった。

地平線に立つのは自分一人の世界

 

teriyakivet.com

 

5月

イラン大統領の登場していたヘリが墜落して官僚と共に死亡する事件勃発。あれ結局原因とか分かったんかね。Twitter上ではAIのGrok君がプレミアム会員限定で試験運用開始。2023-2024年は特にAI技術の加速的発展の時代でしたね。

 

私事。分院の院長がイヌに噛まれ利き手人差し指の先端8mmほどを文字通り噛み千切られる事件が勃発。骨の一部まで持って行かれる重症のため戦線を離脱し、てりやき先生の地獄の連勤が決定。自己新記録の26連勤をこなす。

 

 

そして連勤終わりの翌週、熱と倦怠感と頭痛と喉の痛みにヤラれて1週間ほど床に臥す。

 

6月

時事ネタ特に目立つものなし。今思えばこのタイミングでロシアと北朝鮮が「有事の際には相互支援しようね」みたいな条約交わしており、結果的に北朝鮮兵がウクライナ進行に加わる足掛かりになった。Twitter上では第69回透析医学会学術集会最終日に演者と聴講者の間で暴力事件があったのと声明が上がり、透析界隈は武闘派揃いだと話題に。

 

私事で特筆することは特になし。平和に淡々と仕事してました。豪州の養鶏場にて鳥インフルエンザが確認されて、卵がスーパーから消えたのがこの時期。この問題は12月も終わろうとしている現在まで引きずっている。

卵の消えた棚。

 

7月

日本、新紙幣の流通開始。自分は未だに見たことが無いです。円安の結果、1豪ドルが109円近くまで上がったのもこの月。世界のニュースとしてはやはりトランプ候補が演説中に狙撃され右耳を打ち抜かれたあのニュースが印象的。SPに抱えられつつも出血を気にせず拳を突き上げたあの画を見た時は、決してトランプ支持派ではない自分でも「あ、これは彼が勝つのが確定したな」と思わざるを得ない瞬間でした。

 

私事。普通に仕事してたら薬局から電話が入って、処方箋の内容確認してくれとの催促。そこから辿って行ったらどうやら誰かが勝手に自分の獣医師としての肩書きを使って勝手に処方箋を書いていることが発覚、警察に通報することになる。その後の顛末については分かりませんが、勝手に名前使われて警察に通報したのはこれで2回目である。やれやれだぜ。万バズを頂いたので良しとします。

 

 

あとはKmartで購入した子供用おもちゃ(本来は子供がお人形入れたりするもの)がネコたちに人気だった月。平和である。

かわいい(かわいい)
8月

日経平均の謎の暴落。そしてふわちゃんがツイートでやらかして芸能界から一発追放された月。岸田総理が退陣表明。

 

私事もこれといってアツい展開はなく淡々と仕事しつつフィールドに出かけてコトドリ追いかけていた月。こういう月をもっと充実させていけば人生もっと豊かになるんだろうな。働いてた日数多めだったから仕方ない。Twitter豪州獣医師クラスタにて鍋会を決行したくらいか。

鍋パーティー
9月

中国で日本人男児が襲撃を受けて刺殺される事件が勃発。イスラエルがヒスボラ指導者を殺害するも不安定情勢は続く一方である。

 

私事。冬の終わりを感じ始める暖かさに乗じて家の庭の大整理を開始。それまで荒れ放題であったベランダ前の庭の雑草を取り除き、マルチシートで雑草対策、そこから赤マルチを敷き詰めて景観をよくすると共に雑草抑制。ついでに小さな畑コーナーを作って自家菜園をスタート。ここに来て14歳の頃にやっていた庭師のバイト経験が存分に活かされるんだから人生経験は大事。

庭Before。

庭After。

更には念願の自動ロボット掃除機も導入されて、生活の質が向上する。

あとさらっと書くけど婚約しました。

 

10月

日本では石破内閣発足。イスラエルは今度はハマス最高指導者を殺害したりちょっかい出してきたイランに報復爆撃したりとやりたい放題。このやり方は10年後に倍になって返ってくる未来しか僕には見えない。

 

私事。1週間ちょっとの有給を取って陸路でシドニーからゴールドコーストまで遊びに行くなどする。中高と育った場所なので里帰りみたいな感じである。実家はないけど。ここでも2500kmくらい走ってるな。今年もよく運転した。

コアラみるなどする観光

後半はシドニー市街で開催されたセミナーに行くなどする。まぁカジュアルなブースが並んでるタイプの集まりだったので学ぶというよりも無料の物販貰うのが主体だった。

 

11月

米大統領選でトランプがハリスを破って当選。吊られてテスラ株が急上昇。仮想通過Bitcoinも+25%を超えるアホみたいな上昇を記録。来年からまたトランプ政権が帰ってきますが、世界経済は表面張力だけで堪えているような今にも溢れんばかりの状況。ここ数年のインフレに加えて世界中が抱えているコロナ負債はいつ爆発してしまうのか。

 

私事。友人からの紹介というか頼みで日本から毒蛇探しに来た兄ちゃんと共に2泊3日の弾丸蛇探しの旅に突撃。正直最初は「蛇なんて気づいたら道路に出てきてるのを見つけるだけで、探しても別に見つからんよ」なんて言ってたんですけど、あにはからんや、ちゃんと気合い入れて探せば出てくるもんですね。Myall Lakes National Park周辺で無事に数匹の蛇に出会うことができて満足の旅になった。ついでにこの周辺では割と簡単にディンゴに出会えることも学ぶ。

野生のダイヤモンドカーペットパイソン

トラッカーを首につけた野生のディンゴさん
12月

なんか各地でめっちゃインフルが流行している今月でございます。韓国ではユン大統領が何をトチ狂ったか非常戒厳令を敷いて国会などを封鎖するも与野党議員の結束と突入の前に数時間で撤回議案を通されその後逮捕の流れへ。アゼルバイジャンでロシアの防空システムに誤射された民間機が墜落、その数日後に今度は韓国で低空バードストライクを喰らった民間機が胴体着陸オーバーランにより炎上と、飛行機事故が続く年末。

 

私事。お庭の野菜たちが元気に育っておりQoLが高いです。本病院のほうの院長が長期休暇に入ったのでクリスマス周辺は2週間ほどぶっ通して働いていたものの問題なく無事に生還し、昨日仕事納め。途中の週末で来た迷い犬がマイクロチップ情報だとずっと昔に盗難被害に遭っていた犬で、現飼主とひと悶着あったなどする。万バズ。

 

経済的に振り返る

新生活が始まり大きな家具などを買うことが多かったのでその辺の支出は多めの年になりましたが、この先数年分の先行投資なのでまぁ良いでしょう。

 

収入は手取りで4桁行けているので大丈夫。ペース維持で良いかなと思います。

 

住居の購入から始まった年なので家賃を払い捨てる生活から解放されたと同時に、ローン返済生活のスタートとなりました。いうて家を買うのは初めてでもないので特にビビることもないですね。

世界中でインフレの続いている年ですが、金利6.12%はやはりそこそこ重たいですね。来年にはある程度インフレも落ち着いて金利下げの動きがあって欲しいところです。正直獣医師免許持ってると仕事は安定するので、デフレウェルカムなところあるんだけどなぁ。

30年ローンの1年目で返済率4.2%。悪くない悪くない。やはりオフセット口座にぶち込んでおくと金利抑えられる分だけ返済加速ができて良きです。ただし加速分だけ別方面への支払いが増えているので、自分のキャッシュフローはかなりキチキチでございます。30代前半働き盛り、今はちょっと無理できる時期でしょう。

 

投資面。まぁそもそも自分の主体となる投資は住んでいる家への物件投資になります。オーストラリア、主に移民で人口は増えている&局所集中的な人口分布なので、まだまだ住宅の需要に対して供給が間に合っていません。よって住宅バブルはどうあがいてもしばらくは続くでしょう。ともすれば持ち家に住むことは「ローン返済分がそのまま資産になり」「売却時には家の値段が同じor上がっている」という状況を作り出せるので自分は借家で家賃を払い捨てるより魅力的に感じます。消えていく金はローンの金利分なのですが、上記の通りオフセット口座にあーだこーだして現金を入れてあるので金利を抑えつつ資産を積み上げる動きに勤しんでおります。

今年のローン返済分で家の購入諸経費分くらいは相殺されました。来年の返済分で次回の売買諸経費を相殺すると考えて、追加で3年程度住むのが理想の動きかなぁ。

ちょくちょくと株も買い貯めていくけど、やはりキャッシュフローが辛いのよ…

 

支出のまとめ。

食費およそ6500ドル/年。ただし内訳1200ドル近くは日本。外食合計2700ドルで、食材費が3800ドル程の結果。こちらも新生活始まってストックゼロの状態から備蓄をスタートしていることまで考えるとだいぶ抑えられているほうかな。やはり自炊は正義。特にうちの近所の華僑系の食品店は昨今のインフレを感じさせないくらい安い!Coles高ぇなぁって思いながら生活してるからねぇ…

ローン金利と家の管理費諸々が出費全体の44%。昨年の家計簿は家賃が出費の49%を占めていたので、これは無問題。

ガソリン代2200ドル/年。車通勤な部分もありますし、アホみたいに4000kmだ25000kmだと車で旅してましたんでこんなモンでしょう。

 

獣医師として振り返る

うーん、何も伸びてない気がする。これで良いんですかね僕は。

一般臨床獣医師としての安定感は確保しております。院長不在の26連勤も堪えるし、スタッフ達との仲もとても良好で使い勝手の良い勤務医をやってるつもりです。

 

「この分野を伸ばしたい!」みたいなパッションを注げるものには未だに出会えず。これ、新卒時代から続くちょっとした悩み。広く浅くを続けている状態ですなぁ。

でも現状に危機感を感じているわけでもないので、このままなぁなぁと続けていきつつ何かに出会う機会を待つ形でいいかな。とりあえずアクティブに人、特に同業者には会っていこうと思います。それを目標にしていこう。ここは無理して全ツする盤面じゃないので回しつつ次のツモを待ちます。

 

趣味を振り返る

野生動物方面的には、4月には内陸行ったし、11月には蛇探しに行ったし、冬場はブッシュにも潜ったね。アキクサインコリベンジを決められたのは本当に良かったな。

 

庭の改善をして細々と野菜育て始めたのも趣味としての前進で良きです。持ち家だからこそこういうことはできる。小学生の頃は畑好きだったから懐かしい。来年はもっと規模を大きくしたいですね。

 

料理もちゃんとしたキッチンが手に入ったので加速。お菓子作りの道具なんかもジワジワ増えてきたので、来年も頑張って行きましょう。

 

物欲で言うと新しい車が欲しい…日産のパルサー乗ってますけど、やはり荒野に突っ込んでいくにはかなり制限があるんですよね。2013年型で古さを感じるのもある。トヨタRAV4辺りが街乗りとたまの野外活動に良さげだなぁと夢見つつ、しかしキャッシュフローの厳しい状況で「ぐぬぬ…」ってしてます。いやまぁ貯金で買えちゃうんだけどね…オフセット口座が寂しくなると金利攻めに遭うからなぁ…。

 

ネット民として振り返る

生活体勢が変化してPC開く時間がかなり減ったので動画編集とかはかなりできなくなりました。ブログのほうもガチ殴り記事とかは書かず、たまの合間に過去のキャンプ記事書く程度になりましたね。

まぁ良いことか。リアルが充実してるほうが大事である。

 

脳内妄想としては「救急症例ボスラッシュ10傑」みたいなノリの厨二動画をまた作りたいなァと思いつつも、編集カロリーが想像しただけで胃もたれするのでやっていない。

 

 

そんな感じかな

だらだら書いたな。2025年も頑張ろう。なんてったって乗数だからな。45の2乗の年だぞ。やるっきゃないぜ。

 

 

オーストラリアの獣医師の性比、年齢、収入など@2023年

AVA、Australian Veterinary Associationという組織が存在します。オーストラリアの獣医師が任意で所属し、勉強会などを開催する、日本でいうところの日本獣医師会にとても近いと思われる組織です。

 

自分は所属していないのですが(年会費高ぇんよ)、AVAが数年毎に行うサーベイへの参加を募るメールが来ると毎回ちゃんと応答しています。このサーベイがオーストラリアの獣医師に関するあれこれを把握する上で一番頼れるので、毎回サーベイデータが発表されるのを楽しみにしておるのです。

 

前回のサーベイが2021年でした。この時のサーベイは獣医師の労働時間と給料に関する内容が強めのサーベイで、中々面白い結果でした。内容は動画でまとめたので参考までに貼っておきます↓↓

 

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で。

 

2021年のサーベイデータはコロナ禍を乗り越え始める初期のデータであり、あれからオーストラリアは国全体での獣医師不足やインフレの波を喰らってきました。ここ2-3年は波乱万丈でした。それを含めたサーベイデータを待ち続けること3年、本来2023年に発表されている筈だった結果がようやく出ていたので軽くみて見ましょう。

 

中の人も割と初見のままブログ書きつつまとめていきます。

 

原文のサーベイデータはこちらから↓

https://www.ava.com.au/siteassets/advocacy/workforce-survey/ava-2023_2024-workforce-survey-report.pdf

 

AVA workforce survey 2023/2024

 

初めに:サンプル数など

AVAや各州の獣医師庁から州に登録されている獣医師の登録アドレスに対してサーベイの協力を求めるメールを出し、23年10月~24年2月にかけてオンラインサーベイを実施しました。2332人からの協力が得られ、うち2187人分のデータが使用可能と判断されています。2023年6月時点での豪州全土の登録獣医師数が15261人なので、回答率は14.3%となります。

これは2021年のサーベイ回答率(26.4%)よりは下がりましたね。

 

サーベイのコンセプト

2023年の世界獣医の日のテーマが「獣医学分野における多様性、公平性、包括性の促進」でした。豪州の獣医師業界におけるこの分野の関連データが不足しているため、Australian Rainbow Vets and Allies(オーストラリアのLGBTQ+獣医とその支援者団体)の協力を得て、獣医学分野内の多様性の理解を深めるためのいくつかの質問が追加されました。

今年のサーベイ内容は給料云々よりもこっちのほうが多めっぽいです。

 

 

 

 

 

獣医師の性別(Gender)

Respondents by gender

サーベイ回答者のうちの69.73%が女性、29.4%が男性でした。

他に極少数のトランスジェンダーやノンバイナリーが存在しますが、大まかにまとめてよいのであればオーストラリアの獣医師は女性7割、男性3割という結果になります。これは中の人が大学在学中の同級生達の性比と一致しています。

オーストラリア全土における就職者の女性率が48.4%であることを考慮しても(これも十分にすごい数値なのだけど)、獣医療現場の女性率は目を見張るものがあります。

 

年齢に対する性比

Respondents by age and gender

年齢別の性比グラフです。予想されてはいるものの面白い結果。

男性獣医師の数はどの年代でも基本はコンスタントですが、女性獣医師の数は年齢を重ねていく度に減少する傾向が顕著です。理由は多岐に渡るでしょうがやはり出産や育児は大きく関わってきそうだなと愚考します。

それでも60-64歳までは女性獣医師の割合が男性獣医師よりも多いという結果になっています。最終的な性比は男女が3:7ですが、44歳までの獣医師人口では8-9割が女性獣医師で構成されているのは興味深いですね。

 

性的指向

Respondents by sexuality

性比とは別に性的指向(Sexuality)についても言及がありますが、異性を好む所謂ストレートな異性愛者が85.5%に収まってます。無回答が5%未満なので、バイセクシャルや同性愛者などが合計で1割存在しています。

ここはまぁオーストラリアあるあるですね。自分の職場にもゲイの同僚獣医師が一人いますし、周りの病院でもゲイやレズビアンの獣医師はそこそこ多い印象なので、異性愛者が9割未満に収まるのも体感では納得しかないです。


出身、第一言語、宗教

出身

回答者のうちの74%がオーストラリア生まれで一番多い割合となっています。

時点でイギリスとアイルランド出身者が7.4%。オーストラリアの獣医師免許はイギリス系統の国の書き換えが容易なため国境の壁が少なく移住者が多いことが要因だと愚考します。

他に1%以上の出身国は、アフリカ3%ヨーロッパ2.8%ニュージーランド2.4%が続いています。ヨーロッパという大きな括り以外は全てイギリス系統の国でオーストラリアの獣医師免許の書き換えが容易です。

南東アジア・フィリピン2%という結果も出ており、細かい言及は本文にはありませんが多分シンガポール出身者も含んでいるのではなかろうか。あそこもイギリス系統の国だったので、やはり英国関連国が強めの印象です。

 

第一言語

英語が第一言語の獣医師が圧倒的で回答者のうちの96%を占めています。当たり前ですが大学入部時の倍率などを考えても英語ネイティブが圧倒的に有利です。

回答者のうちの4%(89人)は英語以外を第一言語と回答しています。中の人もその一人だ。

Respondents non-English primary languages (n = 89)

英語以外を第一言語としている獣医師で最も多いのはやはり中国語、時点でスペイン語が続くのは話者の世界人口から見ても納得ですね。アフリカーンス語が伸びるのは南アフリカ出身の獣医師を大量に引き抜いているオーストラリアあるあるですね。

日本語話者は…これ多分だけど僕一人しか回答してねぇな…。

 

宗教観

およそ3人に1人である32.8%が無神論(Atheist、神は存在しないと断言する派)、24.2%が不可知論者(Agnostic、神の存在が証明できないので分からない派)と回答しているので、5割以上が無宗教というちょっと面白い結果です。

オーストラリアという国においては強い宗教であるキリスト教が31.9%、次いで仏教1.2%、ユダヤ教1.1%、ヒンドゥー教0.6%と続きます。

多分0.0005%が神道だと思う。僕です。日本語話者の数的に1人しかいない。

 

 

障害、慢性疾患、神経多様性

Disability, chronic condition or neurodivergent (n=2187)

サーベイ回答者のうちの37.9%が何らかの障害・慢性疾患・神経多様性を有していると答えています。

 

障害・慢性疾患の性別比

Disability, chronic condition or neurodivergent by gender (n=2154)

性別で比べてみると、障害・慢性疾患・神経多様性を有していると答えている割合は女性の方で40%、男性32%と、女性のほうが若干高い傾向にあります。

障害・慢性疾患の年齢比

Disability, chronic condition or neurodivergent by age (n=2152)

年齢別での割合をみると、20-24歳で53%と高く、次いで70-74歳(47%)、75歳以上(44%)と続きます。

これらについてサーベイにおいて深い言及はありません。

 

介護責任

Caring responsibilities by gender (n=2154)

回答者のうちのおよそ41%が何らかの介護責任を負っている・負っていたと回答しています。このうちの12%が小学生以下の子供、17%が小学生、16%が中学生以上の世話であり、4%が障害を持つ人の介護、4.4%が老人介護で回答しています。

性別比では女性獣医師の43%が、男性獣医師の36%が介護責任を負っている・負っていたと回答しています。介護責任が発生しやすい年齢帯は35-55歳でした。これは主に子育ての話ですね。

 

サーベイでは深く言及されていないのでなんとも言えないですが、この数値はあくまでも「現行で登録されている獣医師」における介護責任の割合であり、獣医師として登録を辞めた中での介護責任の割合が不明ですね。例えば「子供の世話のために獣医師を辞めた女性」の割合なんかが不明です。年齢帯が上がる毎に女性獣医師の割合が減っていることも考えると、やはり育児に専念するため獣医師を辞めている女性が一定数いそうであると考えるのが自然だと思われます。

 

獣医師免許所有者の職種

Field of work by Primary occupation

回答者に「主な職種」と「属する業界や分野」について答えてもらった結果が上記です。獣医師免許の所有者が対象の調査なので回答者の90%が職種については獣医師と回答しており、その中の85%は臨床業界で働いているという結果になりました。次いで公務員6.8%、産業関係2.3%、教育機関1.7%、研究所勤務0.8%と続いてます。

獣医師免許所持者トータルで見ると臨床現場にいる獣医師は78%ほどという結果になりました。

ごく一部ですが獣医師免許を所有しつつも自らの職種を動物看護師や農家と名乗っている回答者がいることも興味深いです。

また、図には特筆されていませんが回答者のうちの5.7%がスペシャリスト(認定医)と回答しています。

 

雇用形態

役職

Respondents by role in clinical practice (n=1717)

回答者の62.7%が勤務医27.5%が院長などの病院経営者

ローカム獣医師(フリーランス)は5.5%ほどいます。

 

動物病院の種類

Respondents by type of veterinary business (n=1500)

臨床獣医師のうちの4人中3人、およそ76.3%の回答者が一時診療で働いていると回答しています。更におよそ14%は救急、専門、もしくはその両者で働いていると回答しています。

4.5%の臨床獣医師は訪問診療を主な活動としている他、0.2%は遠隔診療を主な活動と回答しています。

 

動物病院の規模

Respondents by size of practice (n=1500)

動物病院の規模に関してはFull-time equivalent veterinarians(フルタイム換算獣医師)で測られています。週38-40時間働いている獣医師を1FTE獣医師とするので、例えば週20時間働いている獣医師が5人いる病院は2.5FTE獣医師として計算されます。

半数近い49.7%は獣医師数が2-5人規模の動物病院です。

獣医師1人だけで回している動物病院はおよそ11.7%。6-10人規模が20.2%、11-20人規模が9.7%、20人以上の大所帯は7.7%です。

 

運営モデル

Respondents by business model (n=1500)

動物病院の経営形態としては約6割が個人経営の動物病院。グループ病院は11.7%で、企業病院は23.3%となりました。およそ4人に1人は企業病院勤務ということになります。

昨今は企業病院の買収が目立っているので、この先この数値がどう動いて行くのかは注目ですね。ちなみに2021年の調査時では企業病院勤務の割合は8%、2016年では4%であったとのこと。すごい躍進です…。

 

診療対象動物

Respondents by practice focus (n=1624)

臨床獣医師の勤める動物病院の、診療対象動物について。7割は愛玩動物を診療する動物病院で、15.6%は畜産と愛玩の両方を診るMixed animal practice。馬が7.7%、産業動物病院が6.4%。

この辺の数値は基本的に従来のサーベイ結果と変わりません。

 

獣医師の労働時間

2021年のサーベイでは労働時間と給料にかなり切り込んだサーベイ調査を行っていましたが、2023/2024年版の調査ではあまり細かい調査が行われていないため参考程度にしかなりません。正直この辺の数値が気になっていたので残念。

 

参考までに書きますが、オーストラリアにおける正規雇用者の労働時間は38時間/週です。38時間を超えるのは追加労働や残業ということになります。

 

労働時間の性別差

Weekly hours by gender (n=1846)

性別に対する労働時間では優位に差が出ており、女性獣医師の労働時間の中央値が38時間/週に対し、男性獣医師の労働時間は40時間/週と、女性より男性獣医師の労働時間のほうが長めであることが明らかになりました。これはオーストラリアの国勢調査における獣医師カテゴリでも同様の結果が出ています。

ただし過去にAVAが行ったサーベイ結果と比較すると、女性獣医師の労働時間中央値にはさほど変わりがないのに対し、男性獣医師の労働時間中央値は減少傾向にあることが分かるため(2013年の男性中央値43時間/週、2018年は41時間/週)、全体的な労働時間の安定化が示唆されています。

 

労働時間の地域差

Weekly hours by location (n=1860)

地域に対する労働時間では優位に差が出ており、都市圏勤務の獣医師中央値が38時間/週に対し、地方勤務の獣医師中央値は40時間/週と、地方勤務のほうが都市圏勤務の獣医師より労働時間が長めであることが明らかになりました。ただしそこまで顕著な差が出たわけではありませんでした(2時間差)。

こちらは過去に調査されていない項目のため推移などは分かりません。

 

労働時間と診療対象動物

Weekly hours by type of practice (n=1438)

診療対象動物に対する労働時間では顕著な差が出ています。愛玩動物診療の現場では中央値が38時間/週なのに対して、馬診療では中央値が49時間/週と、圧倒的な長期労働環境になっています。これは過去の研究結果に近い数値であり、サーベイの偏りではなく馬診療界隈あるあるだと思われます。

 

オンコール時間と地域差

On-call hours by location (n=1457)

回答者のうちのおよそ30%がオンコール診療を行っていると回答していますが、地域差はハッキリと出ており、獣医師一人当たりのオンコール時間は、都市圏勤務では中央値0時間/週なのに対し、地方勤務では12時間/週でした。都市圏は夜間対応の救急病院などの施設が充実しているため紹介先があるのに対し、地方では距離的な問題で紹介ができない環境がほとんどのため地方勤務の獣医師はオンコール対応を行わざるを得ないことが多いためだと思われます。

 

かくいう中の人だってケアンズ在住の頃は週2~3日はオンコールでしたからね…シドニー万歳、都会万歳、夜間病院様様万々歳。

 

オンコール時間と診療対象動物

On-call hours by practice type (n=1438)

動物病院の診療対象動物に対するオンコール時間でもやはり顕著な差が出ています。愛玩動物病院のオンコール時間中央値は0時間/週ですが、馬診療やMixed animal practiceのような畜産動物を扱う病院ではやはり長くなります。

産業動物病院は何故か中央値9時間/週と、そこまで長くないです。これはあくまで僕の考えでしかないのですが、産業動物系の病院は獣医師数が多いのでオンコール対応日数が薄まる、そもそもコストにシビアな産業動物なのでそう簡単に夜間対応で呼ばれない、みたいな理由があるのかもしれないですね。

 

獣医師の給料

こちらも2021年のサーベイに比べて2023/2024年版の調査は深掘りしておらず物足りないです。

オーストラリアの給料はよく時給換算で表記されますが、これは時給x38時間x52週間と計算することで年収が表せます。また、雇用主は労働者に対して給料の約10%の積立年金を別途で支払う必要があるので、実際の年収は給料の1.1倍と考えて貰ってよいです。

あと、フルタイムで働いていれば有給休暇4週間/年と、病欠有給5日/年が貰えます。やったね。

 

年齢別の時給

Effective hourly rate by age

まずは年齢別の時給。前回のサーベイと違って細分化がなされておらず、ザックリとした数値しか出されていないのでどこまで信用していいかは微妙。参考程度の数値です。

中央値を年収換算(積立年金の1.1倍補正は含めません)すると:

  • 20-24歳(新卒) $75,088 = 750万円
  • 25-29歳     $84,968 = 850万円
  • 30-34歳     $103,740  = 1037万円
  • 35-39歳     $118,560  = 1185万円
  • 40-44歳     $125,476  = 1255万円
  • 45-49歳     $122,512  = 1225万円
  • 50-54歳     $132,392  = 1324万円
  • 55-59歳     $126,464  = 1265万円
  • 60-64歳     $141,284  = 1413万円
  • 65-69歳     $146,224  = 1462万円
  • 70-74歳     $143,260  = 1433万円
  • 75歳以上      $128,440  = 1284万円

ただし年収計算は38時間x52週労働の値です。30歳を超えて中堅獣医師になる頃には4桁プレイヤーになるのが望ましい流れですね。勤務医でも全く現実的な数値です。

 

時給と性別差

Effective hourly rate by gender

給料の性別差は優位に現れており、女性獣医師の中央値が時給56ドルなのに対して男性獣医師の中央値は時給70.5ドルと、男性のほうが女性よりも高い時給でした。ただ、先述したように女性の割合は若い年齢で高く高齢では男性割合が上がることも考えると、この時給の差の一部要因は年齢であるように感じます。オーストラリアの国勢調査でも世界的な数値を見ても女性の収入は男性よりも少ない傾向にあるのは確かなので、今後の踏み込んだサーベイ調査に期待。

 

時給と診療対象動物

Effective hourly rate by practice type (n=1396)

診療している対象に対する時給には優位に差が出ており、馬とMixed animalの中央値は産業動物愛玩動物の中央値よりも顕著に下がります

 

時給と地域差

Effective hourly rate by location (n = 1415)

地域における時給の差は想像していたよりも少なめです。都市圏勤務の中央値が時給60ドルに対し、地方勤務の中央値は時給57ドル

専門医などの高給取りは都市圏に寄るであろうことや、馬やMixed animalが地方に寄ることまでを考慮すると、これ多分愛玩動物一時診療臨床獣医師」に絞って地域差みたらほとんど変わらないんじゃなかろうか

そうだと仮定すると地方のほうが生活費抑えられるから、地方で臨床やってたほうがスマートに稼げる気がしてきた…シドニー出るか…。

 

まとめ

  • オーストラリアの獣医師の7割は女性。45歳以下なら8-9割は女性。
  • 74%がオーストラリア出身者。次いで7.4%がイギリス連邦
  • 96%が英語が第一言語。残りもイギリス背景国強し。
  • 50%以上が無宗教。多分獣医学生時代にふるいにかけられてる。
  • 回答者の8割が臨床獣医師。これは回答者側にバイアスありそう。
  • 62.7%が勤務医、27.5%が病院経営者。フリーランスは5.5%。
  • 臨床獣医師のうち76.3%が一時診療。14%が救急や専門など。
  • 約6割が個人経営の動物病院。企業病院勤務が23.3%の怒涛の追い上げ
  • 労働時間は男性>女性で、地方>都市圏
  • 給料は30歳辺りで年収10万ドル(1000万円)目指していけ。
  • 馬業界の労働時間長い、オンコール時間長い、平均時給低い。
  • 意外と時給の地域差は低め。愛玩動物ならほぼ変わらない説。

 

また2年後くらいに新しいサーベイ調査でお会いしましょう。