とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

太古の大地に想いを馳せて(2024年キャンプ8日目)

最終夜は数千年前へのタイムトラベル

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8日目朝は5:30に起床。そりゃ前日19:30に寝ていればイヤでもそうなる。しかし外は暗くて寒い。二度寝を決め込んで次に起きたのは6:30であった。

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まったりと朝の探鳥を行う。ここでの本来の狙いはクルマサカオウムであるが、彼らは経験則から言うと結構喋ってくれるので声が聞こえてからその方向に向かうのが正解である。だが肝心の声が全くしない。今日はいないのであろうか。

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違うインコ類は色々と飛んでいるし喋っているのだがなぁ。

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9時まで待ってみるが全く気配がないので移動を決意。まぁ簡単に出会える鳥ではないから仕方ない。

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Bourkeの町まで戻ってスーパーで朝飯とジュースを購入。久々の文明である。

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町の中ではクロオウム達が30羽ほど集まって井戸端会議を開いていた。そして相変わらず左利きである。

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昨晩はネット環境から離れていたので町外れの木陰で鳥の声を聴きながらブログの執筆、更新、予約投稿設定を行う。これでBourkeはひと段落である。

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さらにネット環境で調べると、クルマサカオウムの最新目撃地点はここから更に南下したMt Hope周辺と判明。その目撃日は26日...って今日じゃねぇか。うーん...そっち方向に行くかぁ...
方向性は決まった。南に向かいつつシドニーを目指そう。

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旅路を再開して40分ほどで近くに国立公園の看板を発見。時間的な余裕もあるし寄ってみよう。

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Gundabooka National Park。ここにはオーストラリア先住民が描いた壁画が残っているらしい。これはぜひみに行かなくては。ということで壁画のある場所までブッシュウォークです。

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20分ほどで壁画の場所に到着。こんな荒野のこんな岩場に突然あるのか。凄いな。

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岩肌の絵を見てみる。おぉ、凄い!本当に先住民の残した絵ですよ。格好いいなァ。沢山の人が集まっている様子はきっと何かの祭事を表しているのであろうか。

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こちらにはエミューの絵。この辺りでメインで獲っていた狩猟対象だろうからなぁ。

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人の絵には右手に「くの字型」の物が握られている様子も描かれている。この辺の部族はまさにブーメランをメインウェポンとして使用していたのだろうかねぇ。変化していないであろう周りの環境を見て、飛び交うブーメランを想像する。妄想が捗る。

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しかしなんでこんなところに壁画があるのだろうと思いちょっと辺りをうろついてみる。するとすぐ近くに水溜まりを発見。ここ1ヶ月でまともな雨は1日だけの筈なのにまだ真水が充分に残っているところから推測するに、ここは当初でも貴重な真水の補給源だったのかもしれない。

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そんな想像を膨らますニンゲンを一匹のカンガルーは不思議そうに見つめていた。きっと彼はその本当の理由を知る大地の生き証人なのだろう。

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フラリと寄ってみたが大満足のブッシュウォークであった。

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寄り道を終えて再び車を走らせる。向かう先はBourkeの南。つまりは...
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そう、2022年に散々な目に遭った伝説の場所Cobarである。

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今回の旅も集大成。せっかくなので今日は焚火を起こして肉を焼こう。そう思ってローカルの肉屋に突撃。

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ソーセージが色々と種類があって美味そうだったので各2本ずつ購入。コイツを焼いてパンに挟んで食おう。

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もはや「いつもの場所」と呼ぶべき野営地点に到着。実家のような安心感とCobarのような不安感。

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しかしやはり火を起こして焼いた肉は美味しいのである。明日ちゃんと帰れるかなんて不安は忘れ、ひたすら美味しい肉に齧り付いた。

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アキクサインコに魅せられて(2024年キャンプ7日目)

秋草の弛む大地に鳥は舞う

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朝6:20、共に一夜を明かしたモモイロインコ達の朝の雑談につられて起床。もうすぐ陽が昇る。本日の目標は野生のアキクサインコに出会うこと。

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身支度を整えているうちに日の出。少し南下してきた影響で朝の冷え込みも感じるようになってきており、太陽の暖かさに想いをふけていると、後ろの方からピロピロという声が聞こえる。

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「コイツは予習していた声じゃね!?」と振り返ってみると、まさしくその通り、待っていたアキクサインコが枯木に留まっているじゃないですか!ペアで訪れてくれた様子。とっても可愛らしい。が、しかし時刻は7:20、太陽光はまだ地平線の端から赤い可視光線を放っている時間帯。うーん、写真はとても微妙である。

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しかし出会えることこそが大事。一応証拠写真も撮れたし満足である。アキクサインコは地味に分布範囲も狭い僻地に棲んでいるので出会うのがそこそこ大変。満足して朝飯のスープを作る。

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と、まさにお湯を沸かしてカップに注いだタイミングで何気なく顔を上げてみると、なんと3m先のフェンスにちょこんと1羽のアキクサインコが留まっているじゃないか...!慌ててカメラを構えた瞬間に飛び去るアキクサインコ。見失う私。打ちひしがれる私。運がない...。

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いや、運はあった!打ちひしがれる私の耳元で例のピロピロした声が。しかも複数だ。顔を上げると、枯木の上に求めていた子の姿が。帰ってきてくれたか!

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彼らも彼らで朝のお水を一杯やりに来ているらしく、ヒトの存在もあまり気にしていないボーナスタイムに突入。これはアツい!

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ポジション的に逆光だったのでジワリジワリと回り込んで順光ポジションを確保。特に気にするでもなく水場の安全確認に集中しているインコ達。

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そして地面へ。まだまだ周りを警戒中。一挙手一投足が愛らしすぎる。

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ここだ!というタイミングでお水へ。

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そして5秒ほどで勇気パラメータを消耗してしまい桃色の胸と青色のオシリをふりふりしながら水から離れる。可愛過ぎるのだ。

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ピロピロ言いながら飛び去るまで5分ほどはあっただろうか。大満足の観察になった。今日はもうおしまいでいいや。尚スープはぬるくなっていた。ハエがすげぇぜ。

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アキクサインコを見るために連泊することまで視野に入れていたが大満足の結果になったため移動を決意。Bourkeの町を目指します。

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道中は安定のフトアゴヒゲトカゲさん。なんか警戒して潰れた体制。

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CunnamullaからBourkeまでの道のりはひたすらまっすぐで暇である。ただただ車を走らせていたらQLD州が終わってNSW州へと入っていた。

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看板を撮るために降車したら奥の方でセキセイインコ達が木に降りた。そう言えば今回の旅では散々上空を飛び回る彼らを見ていたが地面や木に降りた姿を見ていなかったので写真撮ってないなぁ。証拠写真だけ抑えるも、遠すぎ&陽炎が立ってしまって映らん。

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Bourkeの町に着いたらすぐに町外れのとある場所に。ここも2022年にお世話になって連泊までした場所。クルマサカオウム狙いで今夜はここです。

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前回来たときは物凄い蚊の猛攻を受けたが今夜は平和そのもの。ハエも少なく快適であった。若干の冷え込みは感じるが南十字星は今日も綺麗に輝いていて精神衛生はすこぶる宜しい。ここはネットも繋がらないので久々の現代文明デトックスである。メシを食い、冷え込んできてやることもないので早々に寝袋にこもり、ノンビリやっているうちに19:30頃には寝落ちしてしまった。こういう時間こそ人生には時々必要だと思うのだ。

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地の果てへ征く(2024年キャンプ6日目)

地平線まで砂を蹴って征く。

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朝5:50起床。本日は小高い丘から日の出を見つつ、早朝の鳥たちを狙いに行きます。

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暗い町を進み、町外れにある丘へ。ハエの量が多いのは内陸あるある。地平線の向こうから顔を覗かせた太陽に挨拶してから丘を降りる。

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本来であれば丘の麓の水場に朝の給水に鳥達が集まるであろうと読んでいたのだが、いやはや来ない。期待外れの静かさである。どうしようもないので朝の鳥見を諦めて移動を開始。うーん、昨日はこの辺にセキセイインコいっぱいいたんだけどなぁ。。。

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本日はQuilpieから南下してEuloとCunnamullaの中間地点に位置する野営地・鳥見スポットを目指します。ちょっと寄り道を加えて350kmくらいの移動。

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道中はキンカチョウ、フトアゴヒゲトカゲ、サンドモニターに遭遇。オカメインコもいたけど遠すぎて撮影できず。

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あと上空をひたすら10-20羽の小さな群れでセキセイインコが忙しなく北上する姿を道中30-60秒ごとに目撃。君たちもっとどこか木陰に降りてくれ、写真撮るから...。

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2時間ほど走ったところで本日の寄り道の場所へ到着。Lake Bindegolly National Park。一応鳥見ができる国立公園らしいが詳細は一切不明。偵察に行くぜ。

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トレッキングコースの立て看板を見ると周回9.2kmとのこと。おぉ、時間はあるから構わんけどこの環境で3時間コースはちゃんと準備せねば...

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帽子にフェイスカバーに長袖と、日差し&ハエ対策万全で突っ込みましょう。塩分の摂れる軽食と水も持ちます。

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ひたすら炎天下の地平線まで歩かされる。なんだここは...。多分雨が降ると一部が湖になる環境なんだろうけど、ひたすらに乾燥してる。

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バードウォッチング用の場所、まで来ても結局水場は無い。うん、若干雨降った後なら凄く良い環境なんだろうな。だから事前情報も古い記録だったのね。

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White-winged fairywrenさんはこの乾燥限界地でも元気に跳ね回っていた。元気過ぎてピント合わねぇって。

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頑張ってみたけど暑いしハエ凄いしで断念。

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ブッシュウォークというよりは砂漠地帯の従軍訓練に近い何かを終えて、本日の野営地点へ。

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Euloの町を越えて着いたのは、前回も来た場所。22年の10月に来たときはとにかく鳥の濃い良い環境だったので期待。ここをキャンプ地とする。

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が、あまり鳥の声がしない。これは夕方だから...?それとも天候や気候の影響でみんなどこか違うところに散ってしまった...?いずれにしろ朝まで待ってみましょう。狙うはBourke’s parrot、アキクサインコです。ペットとして人気だけど野生環境で見つけるのは分布も狭くて結構大変なのよな。

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テントを設営して夕飯を作っていると隣にモモイロインコの木が出来上がっていた。君たちも今夜はここか。

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木の隣にある水桶(多分元は家畜用)でワチャワチャとしている様子を肴にメシを食い、この日は早めの就寝。

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