とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

面白系の急患

動物病院を回す際、大抵は午前と午後に診察をやって、間の時間に手術を行うのですが、そこは病院、時折切羽詰まった急患が駆け込むことがあります。

しかし獣医が一人だけの場合、こうした急患に即時対応できるとは限りません。他の急患や重病患畜に付きっきりであったり、手術中で動けなかったりします。

 

こういうときに頼るのは動物看護師さんのトリアージ(治療の優先度付け)と応急処置です。おおまかな症状等を看護師さんに診てもらい、逐一報告してもらい、獣医師として応急治療の指示を出して処置開始の権限を渡すこともあるのです。

 

で、この間も手術中に急患が飛び込んでまいりました。

 

 

看護師「手術中にごめんなさい、急患です」

AKI 「ちょうど縫合中、あと5分で対応できます。症状は?」

看護師「その問いにはお答えできません」

AKI 「へ?」

 

ただし今回はちょっと意味不明です。「急患」にしろ「予約無しの診察」にしろ、できる看護師さんなら勝手にある程度のトリアージを自ら行って、どれだけ急を要する事態かを即時報告してくるのです。時は金なりな事態が多いですからね。

 

AKI 「何か意味不明な症状とか?呼吸は?体温は?出血は?」

看護師「バイタルは安定してます。ただ、センセの助けが必要です」

AKI 「何が起きてるのよ…」

看護師「見れば分かります。というか見てもらえるまで教えません」

AKI 「なんで言ってくれないのさ」

看護師「そのほうが面白いと判断したからです」

AKI 「お前は何を言っているんだ

 

 

 

とりあえずさっさと縫合を終わらせまして、見れば分かるという急患に会うべく待合室に行くと…

 

 

 

 

 

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どうしてこうなった。

 

 

 

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どうやらこの子犬、庭先でテンション上げながら色々とクンカクンカと鼻突っ込んで匂いを嗅ぎ回っていたら、壺型の植木鉢に頭からハマってしまったらしく。

パニくって暴れ回って底割ったらしく、そこから寂しく鼻だけ見えてるこの状態になったと。

 

 

もうね、思いっくそ笑ったよねwww

これがwwwホントのwwwツボに入るwww

 

 

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隙間から指を突っ込んで粘滑剤を頭に塗りたくり、壺を引っ張ってヌルンッと抜いたら割かし簡単に取れました。よかったよかった。

 

この「やっちまったよ…」顔に免じて診察料は無しになったとさ。

シャレの利いた看護師にも座布団をやりたい。