最終夜は数千年前へのタイムトラベル
8日目朝は5:30に起床。そりゃ前日19:30に寝ていればイヤでもそうなる。しかし外は暗くて寒い。二度寝を決め込んで次に起きたのは6:30であった。
まったりと朝の探鳥を行う。ここでの本来の狙いはクルマサカオウムであるが、彼らは経験則から言うと結構喋ってくれるので声が聞こえてからその方向に向かうのが正解である。だが肝心の声が全くしない。今日はいないのであろうか。
違うインコ類は色々と飛んでいるし喋っているのだがなぁ。
9時まで待ってみるが全く気配がないので移動を決意。まぁ簡単に出会える鳥ではないから仕方ない。
Bourkeの町まで戻ってスーパーで朝飯とジュースを購入。久々の文明である。
町の中ではクロオウム達が30羽ほど集まって井戸端会議を開いていた。そして相変わらず左利きである。
昨晩はネット環境から離れていたので町外れの木陰で鳥の声を聴きながらブログの執筆、更新、予約投稿設定を行う。これでBourkeはひと段落である。
さらにネット環境で調べると、クルマサカオウムの最新目撃地点はここから更に南下したMt Hope周辺と判明。その目撃日は26日...って今日じゃねぇか。うーん...そっち方向に行くかぁ...
方向性は決まった。南に向かいつつシドニーを目指そう。
旅路を再開して40分ほどで近くに国立公園の看板を発見。時間的な余裕もあるし寄ってみよう。
Gundabooka National Park。ここにはオーストラリア先住民が描いた壁画が残っているらしい。これはぜひみに行かなくては。ということで壁画のある場所までブッシュウォークです。
20分ほどで壁画の場所に到着。こんな荒野のこんな岩場に突然あるのか。凄いな。
岩肌の絵を見てみる。おぉ、凄い!本当に先住民の残した絵ですよ。格好いいなァ。沢山の人が集まっている様子はきっと何かの祭事を表しているのであろうか。
こちらにはエミューの絵。この辺りでメインで獲っていた狩猟対象だろうからなぁ。
人の絵には右手に「くの字型」の物が握られている様子も描かれている。この辺の部族はまさにブーメランをメインウェポンとして使用していたのだろうかねぇ。変化していないであろう周りの環境を見て、飛び交うブーメランを想像する。妄想が捗る。
しかしなんでこんなところに壁画があるのだろうと思いちょっと辺りをうろついてみる。するとすぐ近くに水溜まりを発見。ここ1ヶ月でまともな雨は1日だけの筈なのにまだ真水が充分に残っているところから推測するに、ここは当初でも貴重な真水の補給源だったのかもしれない。
そんな想像を膨らますニンゲンを一匹のカンガルーは不思議そうに見つめていた。きっと彼はその本当の理由を知る大地の生き証人なのだろう。
フラリと寄ってみたが大満足のブッシュウォークであった。
寄り道を終えて再び車を走らせる。向かう先はBourkeの南。つまりは...
そう、2022年に散々な目に遭った伝説の場所Cobarである。
今回の旅も集大成。せっかくなので今日は焚火を起こして肉を焼こう。そう思ってローカルの肉屋に突撃。
ソーセージが色々と種類があって美味そうだったので各2本ずつ購入。コイツを焼いてパンに挟んで食おう。
もはや「いつもの場所」と呼ぶべき野営地点に到着。実家のような安心感とCobarのような不安感。
しかしやはり火を起こして焼いた肉は美味しいのである。明日ちゃんと帰れるかなんて不安は忘れ、ひたすら美味しい肉に齧り付いた。