最近時折現れるアンチワクチンの人っているじゃないッスか。ワクチン接種は害悪だという理念の下、ワクチン接種を拒否するタイプの方々。Anti-vaccination。
人間のお医者様、特に小児科辺りは苦しめられているであろうアレ。
獣医界にも勿論一定数が存在しております。畜産の世界じゃほとんど聞かないかとは思いますが(ちゃんとした思考力を持ってる牧場ならパンデミックの恐ろしさを理解してるんでね)、馬業界と犬猫の界隈にはいるんスよ…。
オーストラリアにおいては馬の場合ですと最近になって増えたHendra vaccineに対する反ワクチン勢が目立つかなぁ。犬猫においては「ワクチンなんていらない」という意味不明な主張持ちが反ワクチン勢ですね。3年毎にしかC3ワクチンいらないよ、という主張は科学的根拠があるから自分も肯定しますが。
日本の場合は法律で定められてる狂犬病ワクチンの接種率が芳しくないとか何とか。いやぁ、ヤバいっすよそれ。いつか一発出そうですな。そして一発でも出てしまったら世界目線で観て日本の公衆衛生管理能力が地の底に落ちるんだが…。
ところでこの「反ワクチン」の主張には色々とありますが、基本的にはどれもが、少しでもちゃんと免疫学や医学をちゃんと理解していればどれだけ支離滅裂且つ狂気じみているかが分かるモンです。
反ワクチンの主張にアテられるのは大抵が自称知識人から論理の欠片もない上澄みのストーリーを聞いたり読んだりして、なんか分かった気になってる連中ですが、自分の好きなことわざ「井の中の蛙、大海を知らず」のまさしくソレ。言い換えれば「ネットの中のアンチワクチン勢、免疫学の基礎すら知らず」ですもの。困ったことに大抵は空の青さすら知らないことが多い気がする。
で。
どこで見たか忘れたんですが、反ワクチンの主張を反エアバッグとして言い換えると非常に面白く的確なたとえ話が完成する、って話をチラリと見かけまして、いやはや色々と考えれば考えるほどモノスゲェ適切な例えになるのでちょいと書いてみます。
注意:科学的根拠でガッツリと反対派への反論をするモンではありません!面白おかしく、それでいて考えてみると割と的を射ている例え話をするだけです。
- 予防接種は身体に害を及ぼす、副作用がある
- エアバッグは身体に害を及ぼす、運転手の鼻の骨を折ることがある。
個体差こそありますが予防接種で過剰反応等が稀に起きることはあります。が、リスク&ベネフィットを天秤にかけた時に出る利点の大きさを秀逸に表した例え。
- 生ワクチン接種で罹患し重症化することがある
- エアバッグの誤作動でいらぬ怪我をすることがある
これも利と害を比較する際に、そして誤作動率を客観的に感じ取るのに良い例え。
- 昔はこんなに色々な種類の予防注射なんてなかったぞ!
- 昔の車は後部座席にエアバッグなんてなかったぞ!
結果的に昔のほうが死亡率高かったでしょう系の支離滅裂発言。
- 予防注射は医者が金儲けのためにやってる陰謀
- エアバッグの設置は車メーカーが金儲けのためにやってる陰謀
どうやって儲けるんだ系。予防接種儲からないんだなぁ。ぶっちゃけ病気になって大量の治療費を必要としてくれたほうが儲かる。車屋もエアバッグついてないカスタムのハンドルを着せ替え出来るように売った方が多分儲かるぞ。
- 過去に予防接種が子供に害を与えていたのは事実。今も安全とは言えない。
- 過去にエアバッグには有害物質が使われていた。今も安全とは言えない。
エアバッグにはアジ化ナトリウム(有害)が使われてた過去が!2000年以降に販売されている車には使われてないけど信じられないコワイ!科学は進歩するという事実を忘れがちなお茶目発言。
- ワクチンには○○という危険物質が入ってる!これは××で使われるモノ!危険!
- エアバッグには火薬という危険物質が入ってる!これは軍用銃で使われるモノ!
なんか過激なモンと抱き合わせて不安を煽るタイプ。物と鋏は使いよう。
- 自分の子に予防接種しなくても他人に迷惑かからないでしょ!
- 自分の車にエアバッグなくても助手席の知人に迷惑かからないでしょ!
迷惑かかります…。下手すりゃ間接的に人殺しになるんです、マジで。
- ワクチンに頼ると軟弱になる。自然に獲得する免疫が一番。
- エアバッグに頼ると軟弱になる。事故って怪我してタフになるのが一番。
筋肉は世界を救うと主張する脳筋系。自然獲得の途中でワンチャン死ぬ。
どうでしょう。
割と的確な例えになると思いません?どんな主張でもエアバッグに置き換えられるのは凄いと思うの。
そんなネタ記事。