どうも、水槽内のエビが増えてきたのでネットで広告出したら思いのほか引き取り手がついてしまったワタシデス。
動物病院には時折、製薬会社やペットフード会社、そして動物玩具会社の営業の方々が訪れて、やれ新商品だ、やれ今月の目玉取引だ、なんてモノを色々と宣伝していきます。病院と言ってもひとくくりにすれば「動物の飼育者が多く集まる場所」ということになるわけで、そうなるとペットフードや玩具の類を是非とも置いてアピールしてほしい場なので、営業さんも頑張るのです。そこらへんはどこの会社と同じですね。
営業の方々には時折同情することもありますけどね…。営業さん達の対応は基本は病院のマネージャーが請け負うことが多いですが、餌類や薬類の新商品営業の場合はダイレクトに動物の健康や医療に関わるので獣医師が対応するのです。ともすれば、バリバリ臨床現場で働く、最低修士卒のザ・理系を相手に、これまたきっと会社本部から「この商品推して来い」と無理難題を突き付けられているであろう営業さんは四苦八苦しながらアピールをするのですが、少しでも何かぼやかしたり意味不明な説明をしようものならズバズバッ!と科学的・医学的・論理的に突っ込まれるわけで、いやぁ、大変なお仕事だなぁと第三者視点から同情することもよくあります。「そのデータは今は持ち合わせていませんので後日メールさせていただきます」は常套句ですが、こちら側としては科学的データを提示していただけるならひたすら有り難いのでジャンジャンこのフレーズで時間稼いで大丈夫です。
とまぁ、そんなお堅い商品の営業もあれば、非常に可愛らしい営業というか宣伝もありまして、動物用玩具の営業とかはなんかホッコリしますね。
いうても動物医療の現場に持ち込まれるオモチャの宣伝はただふわふわキラキラの可愛い系というわけではなくて、あくまでも科学的なモノがほとんどです(そうじゃないと獣医さん採用してくれないもの)。最近持ち込まれたカタログは動物行動学に基づいた商品カタログで、イヌやネコに「考えさせる」ことを目的にした、いわば教養玩具に近いモノをまとめたものでした。
動物福祉の五大原則、「5つの自由(Five Freedom)」の中にある項目も一つが、「自由な行動をとる自由」ですが、これを重視した商品がどんどん増えていく昨今です。
例えば「餌」をあげるという行為でも、「イヌは餌を探し回る動物であり、ネコは狩りを行う動物である」という概念が存在し、単純なお皿から餌を与えることはこれら「自由に取れるべき行動の制限」に当てはまるという考え方です。ちなみに動物福祉の観点には感情論は持ち込まれない「科学的」見解で(感情が入るのは動物愛護)、上記の制限解除によるストレス値の低下は科学的なものです。
その考えの元、子犬のために至る所にゴハンを隠し、レベルに応じた難解な問題を解かないと餌にたどり着けないマットだとか、色々と開発してはテストして売りに出すのですよ。
で、カタログをペラペラとめくっていたら見つけた。見つけてしまった。
Catmosphere (Web)
なにこれ・・・!超欲しい・・・っ!
要はボール状の入れ物にゴハンを入れ、ニャンコが狩りの要領でこれを攻撃、転がすことでポロポロとエサが出てくる代物です。
実はこれに似た何かを自作しようとずっと考えてたんですよね。自分の構想ではガチャガチャのカプセル的な球体2つに穴を空け、小さい球体内に餌、それを更に大きな球体に入れ2層構造にすることで不規則な動きとエサの排出を目指してたんですけど、そもそもガチャガチャのカプセル的なモノが手に入らず困っていたのだ。
まさしく自分の構想と同じモノがしっかりとした商品としてあるじゃないか!
ほ、欲しい…!
買っちゃった☆
こういう商品に出会えるチャンスを最大限に活かしていく系の職権乱用。
卸値で買えるしな!
うむ、想像していたとおりのシロモノです。キャトモスフィアとはよく言ったもんだ。
大きさも丁度いいし、掃除もしやすいし、何より中々丈夫っぽい。
やっぱり皆考える商品は似るんだなぁ。
黒い芯部分を外し、中に餌を入れて芯を戻すという単純構造です。
芯部分にはU字型の穴があり、球体内の餌はこの穴を通って若干量が芯内部に侵入し、ネコが球体を転がすことで芯内部の餌がポロポロと出てきます。
球体の重心が中央よりずれており、餌が入ることで更なる重心移動が起こるので、単純な球体ではなくかなり不規則な動きをします。狩猟本能揺さぶる構造です。
これはね、特に食い意地がヤバくて、でも室内飼育で狩りができないヤツにお勧め。
まさしくうちのネコなんだよなぁ。
こんな感じのゴハン風景になります。皿から食うより面倒くさいだろうが、だから良いのだよ。
まだ慣れないご様子ですがあと数日もすれば勢いが増すと思われ。